健康志向の高まりもあって、現在「黒酢」は広く知られていますよね。しかし、その歴史についてはあまり知られていません。
日本では、鹿児島県福山町で約200年ほど前から独自の製法で作られている“壺酢(つぼす)”のことを「黒酢」と呼ぶようになったのがはじまりです。
江戸時代に、中国の商人が福山町の人々に米から酢を作る技術を伝えたと言われているそうです。福山町は、米が豊富で、きれいな水があり、温暖な気候に恵まれているので、黒酢づくりに適しています。一時は衰退の危機にさらされた時期もあったようですが、健康食品として注目を集めるようになりました。
しかし、この壺酢以外の種類にも「黒酢」といわれるものがいくつかあります。実は明確な定義はなく、健康食品として売り出されている茶褐色や黒色の食用酢全般がそう呼ばれているようですね。
日本以外の黒酢の代表的な種類をいくつか紹介したいと思います。中国、イタリアなど、さまざまな国でそれぞれに特徴のある黒酢が、昔から丁寧に作られていた歴史がありました。
中国で約300年という歴史を持つ「香醋(こうず)」。半年から3年という長い期間熟成します。自然発酵させる時間が長いほど、濃い褐色になり、口当たりもマイルドになるそうです。
ちなみに、中国は酢の消費量が世界一。香醋はしょうゆのような感覚で使われているそうですよ。
イタリアといえば、オリーブオイルが調味料として有名ですね。それと同じくらい、人々の生活に溶け込んでいるのが「バルサミコ酢」。
原料はぶどう、しかも“トレビアーノ”という種類のみで作られています。伝統のある製法で、樽の中で何年も熟成されます。ポリフェノールが非常に多く、そこが日本の米酢などと大きく違う点のようですね。